第1章 結婚願望

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「もう一人の人は?」 気を利かせて、友達が聞いてくれた。 「仕事で遅れるって言ってたよ。」 なーんだ。ふーん。 気楽に考えながら、私はカクテルを飲み、もう一人の登場を待った。 「先に乾杯しておこうか。」 「はい。」 仕方なく、3対2で乾杯が始まる。 私はもう一人の登場を、今か今かと待ち構えていた。 シュガーボーイは、嫌いじゃない。 でも私の好みは、もっと渋めの大人的な感じの人なんだよね。 「あっ、来た来た。」 男性陣がもう一人を見つけ、私はその人を確認。 ただ、その人は…… 「悪い、遅れた。」 よく知る人物だった。 私の目の前に、勢いよく座ったその人は…… 「あれ?東村じゃないか。」 そう。 ウチの会社の社長だった。 「あれ?高居さん、冬佳ちゃんとお知り合い?」
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