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風
人生に疲れた僕は、毎日のように、
ラディに話しかけていた。
「ラディ、僕はもう全てが嫌になったよ。
生まれ変わりたい。生まれ変わって、
人生をもう一度、一からやり直したいんだ」
疲れた僕の顔を、キミは、いつも
優しく舐めてくれたね。
ラディ、ラディ、
キミが、僕の願いを叶えてくれたんだね。
ラディ、
これからも一緒に生きてくれるかい?
今度こそ、
僕は強く生きるから。
キミに沢山の笑顔を見せれるように。
負けないように。
逞しく生き抜く。
それが
僕からキミへ返せる唯一のもの。
僕の涙を、ラディが優しく舐めた。
心地よい風が
僕とラディの間を
吹き抜けていった。
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