隣の席の魔法使い

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 もう、と歩はまだ拗ねた声だ。 「何で二か月やそこらで、こんなにエッチが巧くなるかなぁ」 「そりゃあ、ネットで猛勉強したから」  歩の為に、と言うと、途端に機嫌を直す隣の魔法使い。 「あんまりカッコよくなり過ぎないでよね」 「何で?」 「……浮気が怖い」  浮気なんか、するもんか。  敦は、歩を抱き寄せた。  出会ったあの日から、君は俺に魅了の魔法をかけたんだから。  席替えは、くじをこっそり取り換えてもらおう、と歩は敦に魔法の呪文を唱えた。  敦も、笑って頷いた。
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