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ーー皐月課長と二人での海外出張が決まって、
出立が朝早いこともあり、前夜から俺の部屋に彼が泊まり込むことになった。
共に帰る電車内で、ふと見ると、
帰宅ラッシュで混み合う乗降口のドア付近で、痴漢行為をしているのが目に入った。
よく見れば、それはしている方もされている方も男のようで、まさか……とも感じつつ、
「……課長、あれ見てください」
と、彼に耳打ちをして顔を向けさせた。
「……あっ、」
そちらに視線をやり、痴漢に気づくとビクリと驚いて、「なんで、あんなことを……」と、唖然とした様子で呟いた。
「……課長にも、してあげましょうか?」
そう囁きかけると、「…えっ?」とまた驚いて、後ろに立っている俺の顔を振り返った。
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