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「いいえ。彼女たちには従業員として僕の下で働いてもらっています。もちろん、タダ働きさせていませんよ。これほどの才能を持つ人間はなかなかいませんからね。今では家族のように思っています」
そう言って、ランゲルは双子の頭を撫でる。
「ねえねえ、おじさん!おじさんの名前は?」
リズにおじさんと言われて少し傷つく。
「ジョセフだ。それとまだ25だから、おじさんって歳じゃないぞ」
「そうなの?でも、ジョセフ大きいし…」
「私たちは12。二倍以上の年齢ならおじさんと言われても仕方がないと思う」
リゼがフォローしてくれるが、まったくフォローになっていない気がする。
「こら、二人とも。ジョセフさんは僕たちを助けてくれたんだ。失礼なことを言っちゃダメだよ」
「はーい!」
「ごめんなさい」
双子がそれぞれに反応する。
「別にいいよ。ところでランゲル君は何歳だい?」
「僕ですか?僕はまだ15です。まだまだ商人として半人前ですよ」
15だって?
十も歳が離れているのに、しっかりし過ぎじゃないか?
25まで働くこともせず勘当された自分が恥ずかしくなる。
「ジョセフさん、そろそろ食事にしましょう。この子達も待ちわびているので」
双子は目を輝かせ、姉のリズにいたってはよだれを垂らしている。
いろいろと思うことはあるが、素直に食事を楽しむとするか。
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