私と彼のこと

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ここはとある高校。 「ゆっき~!ちょっと来てよ~、この問題全っ然わかんなくてさ~」 友だちが切羽詰まった様子で、遠くにいる私に声をかける。 私は、雪平奏(ゆきひらかなで)。この春、高校生になったばかりの普通の女の子です。 「ああ、ここはこうやって……」 「な~るほど!ありがとうゆっき~♪」 「すっごーい!さっすがカナちゃんだね!」 この学校は男女関係なく比較的フレンドリー。教師も生徒もみんな、なにかしらのあだ名で呼び合っていて、 「ゆっき~お願い!あともう1問!」 「奏、後で私にも教えて」 「委員長!オレもオレも!」 私も、こうして色々なあだ名で呼ばれている。 そう、ただひとりを除いて───
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