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1話「村娘、仙人になる」
私は美心みこ。約????歳。姓は無い。
私には仙術の才能があった。
5歳で自然力を感知し、10歳で自然力を自在に操れるようになり、16歳の時には不老体となっていたようだ。
ようだ、というのは自身の身体がそのような状態になっていることに気づいたのは40歳を超えたあたりである。周囲の友人たちが老けていくのに対して私は16の時のまま老いることなく歳を取っていき、60歳から友人たちを看取り始めた。最長で生きた友人は87歳であった。
私は最後の友人を看取った後、ひっそりと霊峰と呼ばれている場所へ向かった。しかしながらいくら歩いてもたどり着かない。
はて、どうしたものかと立ち止まること2日。私はこの霊峰が結界により誰も入れないようにしているのだとようやく気づいたのである。
何十年と自然力を感じてきた経験は馬鹿にできないものだ。呼吸をするように扱ってきた自然力を用いて結界を通り抜ける。
するとそこには霊峰の頂上を円形にならしたと思しき場所があった。よく見ると何軒か家屋があり、人が生活している様子が伺える。
私は早速、村の入口へ向かった。
「ほう、あの結界を破る者が現れるとは。実に数百年ぶりじゃのう」
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