3話「村娘、無茶させる」

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「そんな、俺にはぼんやり見えているだけでそこまでは全く見えないです」 「だから精度を上げる必要があります。精度が低いと自然力の扱いも大雑把になって非効率ですし」  自然力の緻密な操作はそのまま戦いにも直結するほどに影響が大きい。緻密な操作ができなければ力は分散し、パフォーマンスも著しく下がる。逆に緻密な操作ができれば何倍ものパフォーマンスを発揮できる。 「最終的には自然力をある程度のところまで扱えるようになって脱力を無意識下で行えるようになることです」 「それは前の測定の時に師匠が俺を地面に倒れさせたことにも繋がっているのですか?」 「もちろん。あれも脱力による技の一つです」 「よし! 燃えてきましたよ! 俺も師匠のように自然力、脱力を習得して強くなります!」 「げ、元気なのは良いことですね」  グリームの瞳は熱血男と言わんばかりに燃えている。さっきまで吐き気でダウンしそうになっていた人と同一人物とは思えない。  熱血化していたグリームだがこの後も美心による血反吐を吐くような自然力の流し込みは定期的に行われ、その度に吐きそうになるのはまた別の話である。
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