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4話「村娘、鬼娘になる」
「ほーう。やってるのう」
「やってますねえ!」
「こんな辺境どころか秘境の村にくるなんて珍しいわね」
霊峰の住民にして仙人である3人。
村長の鉄心。
ノリだけはいい男ののり蔵。
村のお姉さんの深雪。
3人が3人共に美心よりも前から村に住んでいる古株である。仙人としての熟練度は鉄心が飛び抜けており、次点で深雪、のり蔵は不明だ。
「彼、自然力を使わずに此処へ来たようだけどどうやったのかしらね」
「それは彼が勇者じゃからのう。入れてもおかしくはない」
「あーそういうこと。なら納得だわ。そもそも勇者の血統って鉄心の子孫だものね」
「は!? マジで!?」
「あんたは知っておきなさい! 前に聞いたでしょ」
「うぉぉぉ……!」
深雪はのり蔵のこめかみをぐりぐりと中指の第二関節で押し込んだ。
うずくまって頭を抑えてたのも束の間。のり蔵は神速の勢いで復活し、いつもの口調に戻った。
「ま、たまたま最初に出会ったのが美心で良かったんじゃねえの? 俺とか他の奴らだったら傷治して外へポイッとしてただろうしな」
「あの子は優しいし面倒見もいいからねえ」
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