色づいた日々

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 妹の葬儀が終わってすぐ、私は熱を出して寝込みました。  久しぶりに外に、それも人の多い所に出たので体調を崩したのです。ゆらゆら、ゆらゆら。彼は見守ってくれています。  父が顔を見せたのは、どうにか起き上がることができるようになった頃でした。 「具合はどうだ?よくはなってるのか?」  よかったことなど一度もありません。  優れないのが常態で、健康とはどういう状態をいうのか、知りません。ただ、死んではいない。それだけです。  何を今さらと思ったのですが、どうやら兄も寝込んでいるらしいのです。跡継ぎを心配しての言葉だったようです。兄に何かあったとしても、私が健康ならば婿養子という手もあるのです。けれど、命の保証がありません。  そうして、父はようやく重たい腰を上げてしまったのです。  祓い屋が招かれました。 「この屋敷には悪いモノが憑いている。この娘の身体が弱いのも、それのせいだろう」  それは違います。  私の身体が弱いのは彼が来る前からですし、彼のおかげで日々に彩りが添えられました。けれどそれを口にしたところで、どうなるでしょう。私の言葉など、誰も信じてはくれません。  ゆらゆら、ゆらゆら。彼は揺らめいています。私は彼を見つめます。  口先だけならば何も問題はありません。けれどもし、彼に害を与えられるのであれば。
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