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「お坊ちゃま、ご安心ください。お医者様ですよ」
そこでは3人のメイドと思われる女性看病をしている。
「ほほう……。ルアノ・エヴァーリッヒ 4歳 三日前から38度を超える高熱…。」
カルテを読み込みながら頭を巡らせる…前の医師が科学的な処置を一通り終わらせている様だった。
これは……どうすればいい。科学的療法が効かないのであれば、取り敢えず魔術的に診断するしかない…。
「せんせい……。ぼくのびょうき、なおるの?」
あどけない言葉使いで話しかけてくる。
「大丈夫じゃよ、わしが直すからの」
確証はないものの、うるうるとした瞳を向けられてはそう答えるしかなかった。
「ほんとう……。おねがい」
「ふぉふぉ、任せなさい。では、手を置くが…安心して寝ているのじゃぞ」
両手を鳩尾辺りに添えて魔力を身体に流し込み、薄く広げていく。徐々に淡い青緑色の光が全身へ広がっていき……これは……。
左目に差し掛かった所である違和感を覚える。何かが反発してきているような…まるで凝縮された魔力の塊……。鑑識のスキルを使う為に頭部へ手を移し、発動させると……
<鑑識Lv6発動>
青色の光が手の甲に集まっていき、解析が進められる。
<解析結果 魔眼・闇の祝福>
「っ!!」
魔眼じゃと!…これは拙いのではないか。闇属性の魔眼は悪しき物とされていたはず。もしここで伝えたら……この坊やは……。
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