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オッドアイの瞳を見て考える。魔眼持ちは一定数生まれるが、大体の場合は何かしらの属性と相性が良い等さほど強力な物では無い。後は解析や鑑識のスキルを生まれながらに持っているなど。
「それでは…昼食のあと庭に出ましょうかの」
「うん!!」
豪華な装飾が施された10人以上座れるであろう長机が吹き抜けの大広間に置かれている。 しかし、席に着くのは爺やとルアノの2人であり流石に1人で食べるのは教育上良くないとの事で、本来執事が同席する事などありえないのだ。教師を兼任しているという立場も有るからこその特別待遇でもあるのだが。現に周りの使用人はせっせと今も働いている。
「それでは、鍛練を始めようかの。今日は初めてだからの…そうじゃ、魔力操作から始めようかの」
「まりょくそうさ?」
「ふぉっふぉ、そうじゃよ。魔力操作は魔力を感じそして意のままに動かす為の訓練じゃ」
「わかった!」
「それでは始めるかの、先ずは両手の手のひらを向け合わせるんじゃ。そこへ全身の血液を集めるように……」全身が淡く発光を始め、光が徐々に両手の間へ集められ凝縮されてゆく。
「こんなもんかの」
体を屈め集まる様子を凝視していたが、興奮が収まらないのか騒ぎ始める。
「じいやすっごいな!!僕もそれやる!!」見よう見まねで両の手を向かい合わせ、瞳を閉じると……左眼から魔力が零れ出す。
「むむむむ、何かおめめがあつくなってきたよ?」
おお、開眼したか……これは暫し様子を見るしか無いかの。
零れ落ちた紫色の魔力が全身の流れと混ざり合い、両の掌に集まり紫色の球体が出来上 がっていき……止まる様子がない。吸収しきれなくなった吸魔の指輪に亀裂が走り、全身から紫電が放たれる。
「ご子息様、もう結構ですぞ。素晴らしい魔力にございます」
「はぁっはぁっ、ほんとに!!僕すごい?!」
汗を流し、肩を上下させながら飛び跳ねる。
「ふぉっふぉっ、本当ですぞ。賢者様も夢ではありませぬ」
これは嘘では無く、本心からであった。もう既に先程の魔力量は質では劣るものの軍の魔導兵に勝るとも劣らないものであった。魔力量は先天的な素質に左右はされるものの、鍛錬によって増やすことは出来る。それなのにも関わらずである。
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