ハルノオトのおとしもの

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 みゆきはとてもなやんでしまいました。これは交番(こうばん)巡査(じゅんさ)としての案件(あんけん)ではないのではないか。第九方面本部(だいきゅうほうめんほんぶ)上司(じょうし)に連絡するか、それとも直接(ちょくせつ)本部庁舎(ほんぶちょうしゃ)まで。目の前でシンケンになやみこんでいるみゆきに対し、女の子はふしぎな顔してこう言いました。  おねえさんどうしたの。ハルはね、キセツのハル、オトはね、オンガクのオトだよ。  え、え、もしかしてなぞなぞかな。キセツノハル、オンガクノオト、季節(きせつ)の春、音楽の音。  ますます頭をこんがらがせるおねえさんに対して、その女の子はまたヒントを出したのですが、それははからずもよりおねえさんの頭をこんがらがったものにしてしまうのです。  うーんとね、ハルはわたしのなまえ。オトはチャクシン。  あー、ダメだ、どちらにしても私にはこの難問(なんもん)はとけないわ。しょうがない、上司に連絡するしか。
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