父の言
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貫かれたまま抱き上げられ、抱き締められ、何度目かもう分からないキスをする。 キスは優しい。 どうして。 美夕の両の手が、無意識に貴臣の顔を抱いていた。 「兄さん?」 激しい熱が、穏やかに引く。 美夕は優しく貴臣の頬を撫でた。 「兄さん、泣いてるの?」 貴臣が、静かに目を閉じたーー。
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