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「だめっ、ーーあはああんんーーっ!」
仰け反らせた美夕の躰が硬直したように固まる。
「イッたか……」
美夕のナカに自らを入れたまま、貴臣は肩で息をする細く白い躰を愛しげに抱き上げ、濡れる頬を指で優しく拭い、キスをした。
「俺の罪を……」
美夕を抱く貴臣は、長い髪をそっと梳きながら静かに話し始めた。
「母さんは、自殺じゃない。俺が、殺した」
こんな苦しげな兄さん、見た事がない。
美夕は胸を潰されそうな痛みを覚えていた。
貴臣は、美夕の躰を強く抱き締め、静かに話し始めた。
自らの幼い日のおぞましい記憶と、優香との大切な相愛の記憶。
貴臣の腕の中で身じろぎ一つせずに聞いていた美夕の目から涙が零れる。
「優香がいなくなってから、母さんが優香にした事を知った。母さんに対する憎悪を決定付けたのは、それだ。だからーー」
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