父の言

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 肘掛に両肘を乗せて身体の前で手を組み、幹部達ににっこりと微笑んだ。 「悪くないな。その事業はこれからも伸ばしていこう。しかし若い世代は事業をこっちにと考え始めているのも多い。オフィスとしてタンジョン・バガーの開拓も並行して進めて欲しい」  社員達は頷きながらタブレットのキーボードを打つ。 「コンペだな」 「いいですね」 「募りましょう」  各々話しを始めた社員達を眺め、健人は一息吐き背もたれに深く身を預けた。 もう一度、外を見る。  美夕は、息子らの元には置いておけないな。  心中で呟き、窓の外に目をやった。  こっちに連れて来るかーー。 *
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