辿り着いた先は……! ここ!?

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――ブリジット王国 「王様! もうここは持ちません! 早くここから脱出致しましょう!」  私の名前は、ガイ ヨルダーノ。このブリジット王国、国王に仕える神官であります。  この王国は昨今、現、王を務めるイリヤ クロイツェフ様(弱冠十八歳という私と同じ年齢の若さで王位に就いた有能な王である)の王権を奪おうとする反乱軍が今、まさに……王のいるこの城を攻め入ってきたのであります!  私としてはこの事態をなんとかして王様の命を守らなければならないのです。  神官と云う、この国で唯一魔法の使える私は、王様直々に信頼なる護衛として身の回りのお世話をさせて頂いております。  神の子であらせられる王様、そして……。 「そうです! 兄さま! ここからすぐに逃げましょうです! あたしもご一緒致しますです!」  こちらの王様の隣にぴったりくっついて離れようとしないでいる、大きな瞳をぱちくりさせてこれで本当に十五歳なのか? というくらいに身長も小さく、まだまだ未発達の二次性徴が途中のふがふふが、これまたロリコン好……ではなく。  綺麗なツインテールのブロンドの髪をピコピコと揺らしている王様の妹君、エリミ クロイツェフ様。  この方々のお命をお守りする事が私の使命なのです! 「しかしだな……ガイ。この国を捨てて俺達だけ逃げると云うのは……」  イリヤ様は難しい顔つきで、この城に携わる人々の事をこんな危機的状況下でも心配なさっているようで、私はそれを見るとイリヤ様の心の優しさに感心してしまいますが……。  私は心を鬼にしてイリヤ様にこう言いました。 「王様! このままでは、王様のお命が危のうございます! 城の民はなんとかして逃げてくれると信じましょう! それに、城はまた建てれば良いのです。貴方様ならきっと再建できるはずです! しかし、お命が無くなってしまったらこれこそ元も子もない! さあ、私の魔法で、王様と姫様を異世界に飛ばします! 勿論、私も付き添います! 時間がありません! 今こそご決断を!」  私はすぐ城の門を打ち破り、城に侵入してこようとしている軍団を窓から一瞥すると、焦りを覚え、もう一度イリヤ様の方をじっくり見つめ、深く頷きました。
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