『いい加減』な夜の奇跡の話

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『いい加減』な夜の奇跡の話

「お返しに、お前に奇跡を見せてやろう。それも、とびっきりのやつだぞ」  じいちゃんはそう言った。  ミルクが多めの、甘いカフェオレ。  小さい頃からの俺のお気に入り。  大学に入ったばかりの俺は、ゆっくりとマグカップを口に運ぶ。  薄茶色の液体はひどく甘い。喉が焼けるくらいに。 「ロマンチックな物語を考えてくれないか」  じいちゃんは、いたずら好きだった。
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