-同族会社-

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 一分ほどだろうか?  言葉にすれば、一分だが、待っているには、随分長かった。  「…やはり、高見さんに、来てもらってよかった…」  米倉が真っ先に言った言葉は、それだった。  「…溝口さんに、高見さんを紹介してもらって正解だった…」  「…正解ですか?…」  「…そう…正解です…はっきり言って、高見さんにかかわらず、ひとを呼びたかったのは、外部の人間の意見を訊きたかったからです…」  「…外部の人間の意見ですか? それはどういう?…」  「…高見さんがおっしゃったように、ボクの会社は同族会社で、何事も、身内だけで、決めるのが常なので、外部の人間の意見というものがない…」  「…」
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