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「他人の記憶改変するな。それと、ああいうの触れるって言わないよ。ぶん殴るっていうのに近いから」
俺が顔をしかめてひりひりする背中を撫でてるのも意に介さず、苅田は平然と弾む足取りで隣を歩く。どこへ行くつもりなんだ。
「今日はもう講義終わりじゃないの?ねえ、部室行かない?さとりちゃん前にもまして全然顔出さないじゃん。たまには行こうよ。例のボランティアサークルの方にも結局全然来ないし。何のために入部したんだか…」
「ん?お前なんで知ってんの」
正式に入部したのはあの日保育園訪問が終わってその場でだったから、こいつも傍らで見てたしそれはいいけど。全然顔も出さない幽霊部員だなんてそんなとこまでチェックしてるとは。確かあのサークルにこいつの友達がいたはず。その伝手で紹介してもらったから仕方ないけど、何も俺の参加状況をこいつにわざわざ報告しなくても。
苅田はけろっとした顔つきで斜め上から受け応えた。
「え?だって、わたしも入ったもん、あのサークル。あれから新歓コンパもあったし、時々顔出してるけど結構楽しいよ。今度また幼稚園訪問とかもあるから。さとりちゃんも参加すればいいのに」
「入部したんだ、忙しいのに。ご苦労なことだなぁ」
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