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予想もしない一言でいきなり先手を取られ、エルドレッドの顔が火を噴いた。
どう反応すればいいのか、エルドレッドには見当も付かない。
ただただ、かちこちに身を強張らせるばかりだった。
「あなた、戦士ね?」
どこか訛りのある若い美女は、エルドレッドに向き直った。
わずかに眦の下がった切れ長の目。
そのほとんどをアメジストの瞳が占めている。
奇妙な聖印が光る胸元には、地肌が覗く隙間はどこにもない。
だが、その大きく張り切った胸と、その上でくるっとカールした長い鬢の毛が、エルドレッドの目には余りに眩しい。
心ここに在らずの態で突っ立つエルドレッド。
そんな彼を楽しそうに眺めながら、女性がさらに聞いてくる。
「情報捜しみたいね。どう? 何かいいお話はある?」
“伝言板”に話題が移り、エルドレッドはふっと現実に還った。
ちょっぴり火照りの抜けた顔を軽く振りつつ、彼は足元に視線を落とした。
どうにも恥ずかしくて、女性を正視できない。
「うーん、まだ全部見てないんだけど」
「あら、そうなの。来たばかりなのね」
所在のなさを覚えた彼だが、片手で髪の毛をくしゃくしゃいじるより他に、思いつく動作がない。
そんな彼から、美女が壁に目を戻した。
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