第一章 戦士エルドレッド

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 そしてその真紅の瞳は、青年が実際に人間とは異なる者であることを暗示している。  飾り気の全くない、質素な長剣を腰に吊った少年は、足を止めずに青年に話しかける。 「あー、野宿の連続で疲れちゃったよ。これでベッドで休める。あ、でもそれより食事かな? このところまともな物を食べてないしさ」 「お前の料理が不味いだけだ、エルドレッド」  すかさず横槍を喰らったこの少年、エルドレッドは即座に反発して、頬を膨れさせる。 「そんなこと言ったって、仕方ないじゃないか。何でも器用なシオンと比べられても困るよ。俺とシオンじゃ、経験が違い過ぎるんだ。大体、シオンは今年で何歳なんだよ」 「数え切れるものじゃない」  そううそぶいた青年シオンは、何の感情も伺えない口調で続ける。 「だから俺の経験を多少なりとも、分けてやってるところだろう。それがお前の希望だったからな」 「そうだね」  シオンの冷淡な言葉を聞き、エルドレッドも感謝を込めて軽くうなずく。 「シオンを匿ったのは偶然だったけど、今はすごく助かってるよ。ありがとう」 「礼など言うな。俺が次の都市へ行くまでの間のことに過ぎん。大してお前の血肉には、ならんだろうがな」  真意がどこにあるのか測りがたい、冷ややかな物言いだが、エルドレッドは素直にうなずく。     
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