春になれば

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ボクは、いつもここにいて ずっと待ってるだけだから さらさらと流れるように 過ぎていくキミを 追いかけることはできなくて からころ笑うキミを 捕まえることもできなくて ただここにいるだけのボクを 許してはくれないね。 少し待ってて 春まで待ってて 祈るように目を閉じる。 ゆっくり ゆっくりと目を開いたら 冷たかったキミが柔らかに 好き?嫌い?と ひらひらとボクを散らして くるくると舞いながら きらきらと輝きながら ボクのカケラを連れ去って 全部、連れ去ってもいいんだよ。 キミがボク色に染まる刹那 やっとボクにもわかったよ。 ずっとはないのと笑う キミの悲しみが。 ひらひらと はらはらと キミからこぼれ落ちたボクのカケラ。 また春になれば また会えるよね、 だってボクは ずっとここにいる。
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