どうか平穏な学園生活を送らせて下さい！

やってきました、新学期

賑わう玄関前。そこに、新しいクラスが張り出されたボードがある。嬉しげな表情を浮かべる生徒、落胆した表情を浮かべる生徒。
･･･何故か顔を赤らめている生徒。

皆、色々な反応を示している。

「やっぱり混んでるねぇ」

「もう少ししてから行くか」

「その方がいいかもね」

生徒を遠巻きに眺めながら話を続けていると、前から見慣れた2人組が手を振りながら駆け寄ってきた。

「夏斗ー、風ー！」

「蓮花に来理か、久しぶり」

「3日前会ったばっかりじゃん、もう！」

「まぁまぁ蓮花、落ち着いて。新入生さんもいる訳だし」

ぷりぷりと怒る蓮花を収める来理。そのやり取りを見ていた風が、にやにやしながら2人を茶化した。

「2人共、新学期早々熱々だね～」

「ち、ちょっと風！」

同じタイミングで顔を赤くして慌て出す2人を見て、俺も思わず笑ってしまう。