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それから一週間後にはそいつが死んだという知らせが入った。その日にまた集合の鐘が鳴り、天使がやってきて、俺じゃない奴を指さした。
そいつもその一週間後に死んだ。鐘とともに天使がやってきて、俺の隣に並んでいた奴を指名した。
きっと今回選ばれた奴も、生きて帰っては来ないだろう。そして、また天使が来て別のヤツが選ばれて……
普段こんなことは無かったはずだ。勇者になれる条件を満たしているものは村からどんどんいなくなっていった。次の日が誕生日で候補から外れるはずだった者が選ばれた時もあった。反対に、前日が誕生日で条件を満たしたばかりの者が連れていかれた時もあった。
天使は俺に見向きもしなかった。
俺はずっと、「君のため」という天使の言葉の意味を考えていた。だが、村一番と言っていい俺の脳ですら理解は及ばなかった。
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