母の作る料理

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トイレにこもること、10分後。 青い白い顔でトイレから出た。 貧血でクラクラするし、お腹は痛い。気持ちが悪くて、吐きそうだった。 でもどうしても、母に言わなければならないことがあった! 「お母さんっ!」 母のいるリビングに行って怒鳴り込むと、母は目を丸くした。 「どうしたの?」 「どうもこうもあるかぁ! やっぱり古いもの、食べさせたわね!」 「あら、やっぱりダメだったか。あの卵、火を通せば大丈夫だと思ったんだけどねぇ」 「どうりで変な味がすると思った! ついでにあのハンバーグと肉じゃが、いつ作ったやつよ!」 「ハンバーグは三日前、肉じゃがは五日前に食べたじゃない」 「だからいつも言ってるでしょ! 古いものは捨ててよ! 変なもの、食べさせるなぁ!」 体調が悪くても、ここは強く出なきゃいけない。 ウチの母はズボラだ。 料理では味見をしないことは当たり前、賞味期限が過ぎてても、冷蔵庫・冷凍庫に入れときゃ大丈夫だと本気で信じている。 だから味オンチになるんだよ! ウチの母は! でも私は普通! 古いものを食べさせられたら、体調を崩すんだ。 トイレの住人になったことは数知れず。 怒りもピークだ。 「今度古いもの食べさせたら、病院に行くからね! 慰謝料、要求してやる!」 「はいはい、分かったわよ」 …と言う母だが、絶対1時間もすれば忘れてしまう。 最近、うっすら殺意を抱くようになった今日この頃。 <終わり>
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