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「覚悟は決まったか」
「・・・・・・はい」
覚悟なんてないけど、やるしかないんだ。ここで断っても、今度は都亜や莉子に矛先が変わるかもしれない。未成年だからって油断できないし、そんなこと絶対にさせたくない。
「住み込みだ。いいな」
「・・・・・・はい」
本当は頼りたくなかった。でも、これ以上隠し立てることは無理だって思った。遠い親戚の、唯一関わりが少しあって俺も知っている人に事情を話した。住み込みで働くことになったからといって二人をしばらく預かってほしいとお願いした。
その人たちは本当にいい人で、なんでもっと早くに言ってくれなかったんだって泣いてくれた。
借金もすべては無理だが肩代わりしてくれようともした。でも、断った。これ以上迷惑をかけたくなかった。
惨めで、悔しい。俺の馬鹿なプライドがそうさせたのか。
「ひろちゃん、いかないでっ」
「兄ちゃん、なんで勝手に決めんだよ。だから俺も働くって言ったんだ」
「ごめんな。でも、今はたぶんこれが一番いいんだ。ここでお世話になれば、きっとよくしてもらえるし、ちゃんと中学生らしい毎日送れるだろ」
「俺別に、そんなの望んでない」
不貞腐れたような都亜に、ギリギリまで黙っていたのだから仕方ないなと謝った。二人にはすべて決めてから話した。そしてその内容は、借金のこと。返すにはもっと働かないといけないこと。それには家のことと同時にはできないから、仕事に専念するために住み込みで働くことにしたということにした。
借金を返すためにそういう場所で働くことになった、とはさすがに言えなかった。
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