きっかけ

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1 きっかけ ことの始まりは、去年の5月中旬頃。 私は、関東のとある市役所の職員で、そこの部署に配属されて5年目を迎えていた。 同じ部署で5年目にもなると、なかなかの中堅職員となる。 3年目くらいまでは、仕事が全く終わらずに時には泣きながら夜中まで、平日で終わらなければ土日に出勤してサービス残業をしていたが、この頃にはその部署のほとんどの仕事は把握していたし、忙しい時期はまあそれなりに忙しいが、自分である程度コントロールができるようになっていた。 職場の人間関係への不満はたくさんあったが、プライベートを充実させることでなんとかそのストレスを発散させていた。 この頃の私は、フットサルにはまっていた。 元々運動神経はあまりよくない方であった私だが、その年の3月に初めて体験した男女混合のフットサルが、思いのほか、最強に楽しかったのだ。 大学のときの先輩に誘われ、初心者もたくさん来るということ、遠い田舎から就職のために関東に出て来た私にとって、『新しい出会い』は貴重であり、「まあ、暇だし行ってみようかな。」という大変軽い気持ちで出かけて行ったのが最初だった。
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