エピローグ

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 ようやく謹慎が解けた雅貴は初めて薫一家の新居に出向いた。  色々あり引っ越しの手伝いも出来ず、事故以来薫とちゃんと話せるのも今日が初めてだ。 「ケガ、もう大丈夫なのか?」 「うん。三日ぐらいでほとんど痛みもなくなっちゃった」 「凄いな! ……でも、いくらすぐ治るからって怖かっただろ? 痛い思いさせてごめん」  頭を下げる雅貴に薫は両手をパタパタとさせる。 「ううん。僕の方こそごめんね」  二人は視線を合わせるとニコリと笑い合った。  雅貴はソワソワとし、そうだ! と声を上げる。 「治癒能力が高いってことはやっぱりスターシードじゃなくて薫たちはアルデバラン人の血を直接ひいてるんだよ」 「ヒューメイリアンてこと?」 「いや、もっと純粋な感じ。最近騒がれてるヒューメイリアンは宇宙人が人間に子供を宿させる的な感じだろ? そうじゃなくてさ、例えばウールピットに現れた地底人じゃないかっていわれてる緑の子供の子孫とか。もっと言えば太古に地球に降臨していたアルデバラン人スメランの子孫なのかも!」  そうなのかな、と薫は頬を緩ませキャッキャと楽しそうにしている妹を見た。  薫の妹は雅貴が来た時から、ずっと一人で宙を見つめ手を叩いたりしながら声を弾ませている。
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