いつもの放課後

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「それがオカルトとどう関係あるのよ! バカバカしい!」  奈津実は大方の文房具を投げきり遂にハサミを放つ。  ダーツのごとく壁に突き刺さったハサミに目をむいて、いつものように叫ぶ朔也。 「だからハサミはやめろって! 怖いわ!」 「会長今度ボクのアパートに来てよ! 迷惑な住人がいてさぁ~出てって欲しいんだよね~!」 「人を地上げ屋みたいに言わないで!」  奈津実は卓上セロハンテープカッターを高々と持ち上げた。 「それはダメだって! 凶器だから! 鈍器だから!」 「ドンキー! ドンキー!」  切迫した朔也の叫びが、楽しくて仕方ないとはしゃぐ江の声に打ち消される。  華麗に宙を舞うセロハンテープカッターと同時に開く扉。 「まぁ!」 「先生!」  奈津実が叫んだ先にはしっかりとセロハンテープカッターをキャッチした熟練教師、平野文子がいた。 「オカルト同好会がいる時の生徒会室は物が飛び交っているから気を付けるようにって聞いていたけれど、本当なのね」  真顔のまま呆れたように眉だけピクリと上げて平野はセロハンテープカッターを奈津実に渡す。  キッと二人を睨みつけながら受け取る奈津実。 「申しわけありません」
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