4人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
少しばかり飲み過ぎたようだ。たまには悪くないだろうと自分を納得させる。別に気分が悪くなるまで飲んだわけじゃないかと。
部屋に着くとコップに水を2杯飲んだ。腕時計を外し、服を脱いでベッドに転がり込む。
しばらくすると強い眠気が襲ってくる。僕はそのまま眠ってしまった。
*
怜央がいて、何かを僕に話しかけている。何を言っているかはわからない。
また星空の見える空間に横たわっていた。暗くて、広いのか狭いのかあいまいだ。ただ不思議と落ち着いていて悪い気はしない。
彼女は僕達が通っていた高校の女子の制服を着ていた。
靄がかかっているのか顔はよく見えない。
怜央の気配がが徐々に離れていくのがわかった。
彼女の名前を呼ぼうにも声がでない。体も動かせない。
僕の意識は、温かい泥のなかにゆっくりと沈んでいった。
「ゆっくり眠りなさい」そう言われた気がした。
最初のコメントを投稿しよう!