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「早く死んでくれ。お前を見ているだけで狂いそうだ」
「父親」からとは思えない、酷い言葉。
それでも少女は信じ続けた。
「私が熱を出したりね、怪我をしたりするとね、パパは喜ぶの」
いつしか少女は、真冬に裸で外に出たり、わざと階段から落ちるようになった。
ただ、「父親」に「喜んで」もらう為に。
ただ、「父親」に「笑って」もらう為に。
そんな毎日が過ぎ、着実に少女の身体のアザは増えていった。
しかし、「心」にアザはひとつもなかった。
何故か・・・
少女はそれでも純粋に、「父親」を「愛して」いたからだ・・・
そんな「娘」に対し、男はさらに虐待を重ねていった・・・
ある日、男の仕事の取引先から、思ってもみない依頼が来た。
「お前の娘、妹の方だ。貸す気は無いか?」
男の目が・・また闇の色を増した・・・
「少女」は・・・「玩具」に変わった・・・
初めて「父親」に逆らった。
初めて「イヤだ」と叫んだ。
哀願する「娘」を前に、男は言った。
「玩具に感情はいらない」と・・・。
「お前の名は何だ?」
「・・・セレステイナ・・・。」
「そうだ。その名前の由来はセレイヴ・ドール。「奴隷人形」だ。人形に感情は必要ない。」
その瞬間、「少女」は「玩具」から「人形」に変わった・・・
それから少女は笑わなくなった。
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