第一章 融解

2/5
前へ
/407ページ
次へ
(何なのよ・・・このやかましい連中・・・アホらし・・・) それまで冷やかな視線を彼女達に向けていたドールだが、 何か「イヤな予感」を感じ、そそくさとその場を離れ・・・・ 「じゃ、あんたがドラムね!!はい決定!!」 「・・・・・はぁ?」 「だぁ~かぁ~らぁ~~~、このバンドのコピーやんの!あんたって案外ニブいのねぇ。」 「・・・・・・勝手にやれば?私を巻き込まないで。」 「ほんっとにニブい!!ドラム無しで出来るワケないでしょ?!」 (理解不能・・・理解不能・・・何なの?なれなれしい!!) ドールは面食らった。初対面の相手に対して、この警戒心の無さは何?! 「あ、そうそう!その顔!!そのつ~んとすました偉そうな態度!ドラムの「Y」そっくり!!ね、決定!!」 ブチッ!!!(あ、キレた) 「誰が偉そうだって?それに、Yは偉そうでも何でもないじゃない!!  言っとくけどねぇ、彼は心の傷を全部それこそ命懸けで音楽にしてるのよ!!  彼の事を悪く言う前に、完コピしてみなさいよね!すっごい難しいんだから!!」 「だから、ドラムが無いと出来ないって言ってんでしょ?あんたが入ってくれなきゃ出来るモンも出来ないっての!!」 「やるわよ!!ドラムだろうが小太鼓だろうがやってやるわよ!!難しいんだから!!後になって後悔しないでよね!!」
/407ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加