第一章 融解

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(げ・・・・) 「やっりぃ~♪私、ヨシノ。よろしゅ~~!」 一発KOでドールに勝利した、このクチ達者な少女が微笑んだ。 「あの、私、ミオリです・・・」 先程ベースをやりたいと言った、どう見ても小学3~4年生の少女がはにかんだ。 「んで、私、ルギ。」 ギターは任せろとはしゃいでいた一見男みたいな少女が手を差し出す。 「じゃ、俺はホムラって事で。どーも。ドラムが一番きっついけど頑張れや。」 バレーボール選手の様に背が高い男がドールの肩をたたく。 「・・・・ドール。」 下を向いて、小さくつぶやく。 不快でしかないはずの「他人との交流」。 だが、不思議な事にドールの心は晴れやかだった。 「大好きなバンド」を、同じように愛する目の前の少女達。 心が・・少しづつ融けていく・・・・ 「うっし!じゃ、バンド名決めなくちゃ!!」 「そりゃもちろん・・・リーダーのドールに決めてもらおうよ!!」 「?!」 「そうね。2分で考えて?リーダー♪」 (ちょっと待ってよ・・・えっと・・・えっと・・・) 次々に起こる「予想外の出来事」。ドールの頭は完全に「メダパニ」にかかっていた。 「ほら、あと1分!!」 「え・・・えっと・・・えっと・・・あ!!!」
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