第一章 融解

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「・・・・。」 (何も知らないはずなのに・・・私の過去なんて、知らないのに・・・) ドールは不思議でたまらない。 (他人なのに・・・どうして泣くの・・・?) とまどい・・・そして・・・ 「ありがとう・・・」 声に出したはずだった。だが・・・それは嗚咽でかきけされた。 少女達のものではなく、ドール自身の嗚咽で・・・。 子供のように泣きじゃくった。今までの人生で溜め込んできた涙を全て流すように。 「人形」が、「人間」に戻る。 その「瞬間」まで、あと3ヶ月・・・
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