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家族会議
しかし、俺には引き取り先探しの前に、どうしてもはっきりさせなければならないことがある。
それは、どうして雄犬の居ない我が家に子犬が生まれた?と言うことである。
このままでは「自分の願いが叶ったから子犬が産まれた」と、自分には特殊能力があると信じ初めている、妹の麗奈の今後の人生に問題が生じてしまう。
てなことを思いつつ、俺がその父犬への疑問を皆に投げかけると、父もやっとそのことに疑問を持ち始めて、家族会議の議題はそこから始まることになった。
会議が始まり30分。だが、誰もその可能性を導いてしまったのは”自分かも”と名乗り出る者はいない。
それよりも、放って置くと直ぐにヘンピンが来てから3年の思い出話に花が咲きそうになる。
その度に、俺は脱線してしまった話を何度も修復しなければならない。
妹は、依然として自分の魔法だと主張してるし。
でも、実はその時点で俺にはその者が誰かは想像がついていた。昔話に話を持って行くのが、決まって同じ人物だからだ。
この家に生まれ17年の経験値から言って、もう少しこの時間を続け炙り出せば、きっと白状するだろうことは想像がつく。もう一踏ん張りだ。
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