0人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、会議が始まり1時間。ずっと口を閉じていた母が耐え切れずに、「あっ!もしかしたら、あの時かも」と、今思い立った素振りで呟いた。
どうやら、母の友人が飼い犬を家に連れてきたことがあったらしい。
それは、時期的に一致する。しかも生まれた3匹の内、1匹は毛色も合致する。
因みに妹は、魔法で母の友人の犬を呼び寄せたと主張。
責任の一端が分かれば、取り敢えずは毛色の合致する一匹くらいは父親側に引き取ってもら得るように話くらいはしてみようということに。でも、その役目でまた揉めるだろう。
出来れば、もう一匹の里親も探したいところだけど、雑種は世間的に厳しいだろうし、妹の麗奈を説得するもの大変だろうと言う暗黙の了解で、後の二匹は我が家で飼うことにりそうだ。
「そうだな、三匹の内一匹引き取ってもらおう。お返しの相場は3分の1くらいが、一般的だしな。子種の”お返し”なんてな・・・ハハハ」
父がいらんことを付け加え笑うが、何か嫌な予感がする。
「そう言えば、ヘンピンが家の前に置き去りになっていた時も”お返し”と書いた熨斗紙が貼ってあったわよね。あれって、なんのお返しだったのかしらね?」
3年たっても”お返し”が気になっている母。
「うちは、ヘンピンの前に犬は飼ってないから、子犬をお返しされるはずがないんだけどな」
最初のコメントを投稿しよう!