26人が本棚に入れています
本棚に追加
全員のお腹も満足し、なんとなくお開きの空気になった。
また逢いましょうね、の約束をし、それぞれが屋台を後にする。
王将は骸骨の背中を揺すって起こしていたが、なかなか起きない。
鮭と熊は、肩を寄せあって夜の闇へと消えていった。
「波奈さん、いつでも大歓迎ですよう。また夕飯、食べに来てくださいよう」
狸は、波奈からのたぬきごはん代をかたくなに受け取ろうとしなかった。
それもまたお返し、だそうなので、波奈はありがたく甘えることにした。
信号を渡ってしまうと、あっという間にアパートに帰りついた。
まるで夢のようだ。
銀色の骸骨に、大きな王将の駒に、鮭に熊。
それに狸の作った、たぬきごはん。
波奈はほろ酔いで、ベッドに横になった。
最初のコメントを投稿しよう!