1人が本棚に入れています
本棚に追加
「痛い。痛いよ。やめて。お願い」
「じゃあ出て行け!」
「そうだ出ていけ!」
「お前は僕たちの仲間じゃないんだ!」
「わかった、わかったから……」
「早く出ていけ!」
とどめの砂の礫の中に。
大き目の小石が混ざっていました。
それが、耳のない方に辺りました。
毛で覆われて見えなかった小さな耳は、その衝撃でつぶれました。
片耳の猫は痛くて泣き、走ってその場から去りました。
砂が目に入っていて、前が見えませんでした。
それでも、猫は走り続けました。
優しいと思っていた姉弟が悪魔に変わって、とても恐ろしかったのです。
走って
走って
走って
片耳の猫は、疲れて喉が渇きました。
最初のコメントを投稿しよう!