片耳

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「痛い。痛いよ。やめて。お願い」 「じゃあ出て行け!」 「そうだ出ていけ!」 「お前は僕たちの仲間じゃないんだ!」 「わかった、わかったから……」 「早く出ていけ!」 とどめの砂の礫の中に。 大き目の小石が混ざっていました。 それが、耳のない方に辺りました。 毛で覆われて見えなかった小さな耳は、その衝撃でつぶれました。 片耳の猫は痛くて泣き、走ってその場から去りました。 砂が目に入っていて、前が見えませんでした。 それでも、猫は走り続けました。 優しいと思っていた姉弟が悪魔に変わって、とても恐ろしかったのです。 走って 走って 走って 片耳の猫は、疲れて喉が渇きました。
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