自由

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 もはや誰も座っていないか、デスク自体が無くなっているかもしれない。  どうでもいいことだった。  どうでもいい。  じゃあ逆に、私にとって"どうでも良くないこと"って何なのだろう。  深みへと沈んでいく私の思考を、私のお腹から鳴り響くうなり声が遮った。  そういえば今日は朝からまだ何も食べていなかった。  私は近所のコンビニへ行くことにした。  何を食べようか。  店に行ってから決めればいいか。  私は自由で、その対価として、自らの命を支払うことになるらしい。  いつ支払うことになるのかはわからない。  わからない。  私にとって何が大切で、何が大切じゃないのか。  わからない。  ただ一つだけ、わかることがあった。  私は自由だ。  間違いない。  
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