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5月の半ばにクラスの親睦会を兼ねた宿泊研修があった。
昼間は勉強という名のクイズ大会をしたり、レクリエーションをしたり。
夜は肝試しがあった。
怖いのが苦手な私は、同じ班のあかりたちとキャーキャー騒いでいた。
班はクラスを出席番号で半分に割ったメンバー。
アカリ、ラン、モモコの3人とは同じ部屋だった。
他の友達も交えてお決まりの恋話。
初恋はいつ?とか、初彼は?とか、
何人付き合った?とか、
キスしたことある?とか。
初体験が済んでいる人は、意外にもいなかったみたいだけど…。
お決まりのそんな話題。
「じゃあ次。ナナは?」
どうしよう……
私、ちょっと複雑な経歴だから、何て話そう…?
というより、彼のこと話そうかな?
「初彼はね。
彼氏なのかわかんないけど、中2のときに1人付き合った…っていうか、何というか。」
「きゃー!その人とはどこまで?」
「キスはしたよ。
でも初キスじゃないんだよね。
初キスは小1で…って興味本位のやつだよ?」
「小1?マセてるなぁ~!」
「でもね、ちゃんと誰かを好きになったことってないかも。」
私がそう言うと、ガッくんを知っている誰かがこう言った。
「噂のガクさんの従妹ってナナなんでしょ?」
ここでガッくんが有名人なのを思い知る私…。
「えー!?そうなの?」
「ガクさんが従兄じゃねぇ。
ナナって理想高そう。」
「てか、ガクさん彼女いないなら紹介してよ~」
は、始まった。
人の恋愛の間に入るのは二度と御免だ。
「うーん。ガッくんいい感じの人いるからね…。」
話を終わらせたくて適当にごまかした。
そんなこんな盛り上がっていたら、
「早く寝なさい!」
見回りの先生に怒られ、みんなしぶしぶ布団に入り、話は終わった。
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