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第2話 ツユコイ
数日後の夜、私はドキドキしながらコンビニへ向かった。
お風呂は済ませたけれど、ちゃんと化粧して髪も念入りにブローして。
コンビニのドアをくぐり一周見回すと、彼レジ業務ではなくお弁当やらの品出しをしているところだった。
忙しそうだな…。
私は彼の品出しが終わるまで、とりあえず雑誌を立ち読みすることにした。
しばらくして品出しが終わると彼はレジでお金を数え始めた。
私は読んでいた雑誌とメロンパンを手に、彼のレジへ向かう。
「いらっしゃいませ。」
彼は笑顔でそう言った。
「こんばんは。」
「この雑誌…ちょっと意外だね。」
私が手にしていた雑誌は何故か婦人誌。
緊張しすぎていたようで、婦人誌を手にしていることに初めて気づく。
「あははは。コレ、いつもお母さんが読んでるんで。」
しどろもどろに言い訳をした。
会計が終わり、商品を受け取る。
よし、今だ!
ドキドキドキドキ………
「あ、あの……
よかったらこれ……
お願いします!」
そう言うと、私は連絡先と名前を書いた紙を、勢いよく彼に渡した。
恥ずかしいのと不安なので、彼の表情や反応を見ることができず、私はそのまま寮へと走った。
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