第2話 ツユコイ

2/6
前へ
/82ページ
次へ
彼が何時までバイトなのかは分からない。 だけどこの日、私が寝付くまで彼からの連絡は何もなかった。 翌日もその翌日も…… いくら待っても連絡は来ない。 もう、だめだったんだな。 彼女でもいるんだろうな…。 初めての失恋に、私の心の中はこの時の季節と同じ梅雨空だった。 そして連絡先を渡して以来、私はそのコンビニには一度も行かなかった。 恥ずかしいし気まずいし。 彼に振られたであろうことをあかりたちに話した。 もうすぐ夏休みだし、夏休みに合コンでもしよう。 そう誘われたけれど、私はあまり乗り気ではなかった。 でも、、彼を忘れるには新しい恋をするしかないんだろうな。 そう思っていたので、合コンには誘われれば行くつもりではいた。 そして7月。 期末テストが無事に終わった。 成績が悪いなりに赤点だけは免れた。 テストが終わった日、たまたま晴れていたので久しぶりに東浜へ行った。 もうすぐ夏かぁ…。 夏なのに切ないな。 しんみりしながら海を眺めていたら、 「ナナ! 何かあったのか?泣きそうな顔してるけど。」 振り返ると心配そうな顔をしたガッくんが立っていた。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加