33人が本棚に入れています
本棚に追加
〝辛くなったらいつでもうちおいで。
つーかお母さんもナナに会いたがってるし、オレも話したいから明日うちにメシ食いに来い。〟
ガッくんやキョンちゃんの気持ちが嬉しかった。
翌日学校が終わって一旦寮で着替え、ガッくんの家へ行った。
ガッくんは帰ってきていなかったので、キョンちゃんのお手伝いをしながら帰りを待った。
「やっぱ女の子っていいわね~。
ユウちゃんが羨ましいわ。」
「私、この家の娘になりたかったよ。
お母さんが嫌とかじゃないけど…
シュンちゃんじゃなくてガッくんがお兄ちゃんがよかったな…。」
シュンちゃんこと兄の櫻木俊介とは、幼い頃はともかく今となっては会ってもほとんど話すらすることはない。
シュンちゃんがグレたことにより、櫻木家はバラバラになった。
そして私が非行に走った原因のひとつは、そのことだった。
「シュンも二十歳になるんだし、そろそろ落ち着くんじゃないの?」
昔を思い出し、暗い空気を漂わせていた私に、キョンちゃんはニコッと笑ってそう言った。
「落ち着けばいいけど…
って私も人のこと言えないけどね。笑」
大量の唐揚げとペペロンチーノに野菜サラダ。
それからキッシュにスープ……
よく食べるガッくんとおじさんのためにたくさんご飯を作った。
ご飯が出来上がった頃、タイミングよくガッくんが帰ってきた。
「ただいま~ナナ早かったね。」
「おかえり~」
美味そうな匂い、とガッくんは鼻をクンクンさせた。
「ナナも一緒に作ったのよ。」
キョンちゃんは料理をテーブルに運びながらそう言った。
「ナナが?
ナナも大人になったんやなー。」
「私だって料理ぐらいできるよ( ̄ー ̄)」
冷める前に…と食べていたら、おじさんも帰ってきて、そのまま4人で食卓を囲んだ。
最初のコメントを投稿しよう!