第2話 ツユコイ

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「あのさ、そのコンビニって寮の南側のとこだよね?」 「うん、そうだよ。」 「まじかー。 ナツさんに聞いたら知ってるかも。 たしかナツさんもそこでバイトしてるって言ってたような…。」 「えっと…ナツさんって、ハルくんのお兄ちゃんだよね?」 「そうそう。 つーか、ナツさんに頼んでみよっか? ナナに連絡するように伝えといてって。」 ガッくんのその一言に、胸の鼓動が速まった。 でも、、期待しちゃダメ。 彼はきっと、あのスレンダー美女と付き合ってるに違いない。 傷が深くなる前に忘れるのが自分のためだ。 「やめてよ~。 ナツさんも迷惑だって! そもそも会ったこともないのに、そんなお願いできないよ。」 「そんなに気になってんのに?」 「ううん、もう忘れるって決めたの。 あ、ハルくんたちにも絶対言わないでよ!」 「はいはい。 ナナの気が変わったらいつでもナツさんに頼んでやるからな。」 「うん、ありがとう。 もしも…のときはね。」 「それにしても今日は暑いなぁ。 アイス食べたくない?」 「食べたいかも。」 「そのコンビニ行くか! そいつがいたら、オレが彼氏のフリしてやるから。 それに、ナツさんいたら奢ってもらえばいいし(笑)」 「………行かない。」 結局違うコンビニでアイスを買ってマンションへ戻った。 ガッくんやナツさん伝いに彼と会えるかもしれない。 忘れる、と決めてはいるけれど、正直なところ不安半分期待半分。 スッキリしない気持ちで、ほろ苦いチョコレートアイスを口に運んだ。
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