第3話 夏のおとずれ

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私と彼は思わず顔を見合わせた。 ランとモモコも驚いた顔をしている。 「ナナ、この人が前に話したナツさん。 ……もしかして知り合い?」 今度はガッくんが、私と彼を交互に見た。 「あ、うん…。 ちょっと…ね………」 私は取り乱していて、肝心なことをすっかり忘れていた。 「そういえばナナちゃんって、ガクに用があったんじゃないの?」 ハルくんの一言に我に返った。 「あっ!いけない!! そうだった!! ガッくん携帯家に忘れてるでしょ? さっきキョンちゃんからね、今日はうちのお母さんとご飯食べに行くから、5時半までには帰ってきてって伝えてって電話あったよ。」 「そーだった! 今日ユウちゃん来るんだったな。」 「そうそう。 じゃあ、また夕方ね。 ハルくんたちもありがとう。」 顔に出さないように頑張ったけれど、心臓バクバク。 あの人が噂のナツさん、 ハルくんのお兄ちゃんだったなんて……。
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