第3話 夏のおとずれ

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「まさか彼がガクさんの先輩だったなんてね…。」 海沿いの遊歩道を来た方向に歩きながら、ランがそう呟いた。 そう言いつつ、ランもモモコもニヤニヤしているように見える。 「ナナ、どーすんの?」 「どうもこうも、せっかく忘れようとしてたのに…。 っていうかこの前ガッくんがね、ナツさんもあそこでバイトしてるって言ってたの。 でもナツさんってガッくんの二つ上だよ? 私たちの6個上。 そんな上に見えないじゃん。 ハルくんとも全然似てないし。 だからまさかナツさんがあの人だったとか想像もしてなかったよ。 もーーーぉ!!!」 私は思わず海岸線目がけて叫んだ。 近くにいる子供たちが振り返って不思議そうにしていた。 「ナナ、落ち着いて。」 「とりあえず何食べる?」 2人は食べたい物をあれこれ話し合っているけれど、私は食事どころじゃない。 「私…かき氷でいい! 食欲ない!」 「ナナ…すっかり恋する乙女ね。」 そういえば、ガッくんたちも今から昼ごはん食べに行くって言ってたっけ。 ナツさんも一緒だよね。 それより、夕方ガッくんに会ったら何か聞かれるんだろうな……。 はぁ~。 大きなため息がこぼれた。 ファミレスに入り、完全に上の空の状態でかき氷を食べて、少し話して寮に一旦帰った。 この日はお母さんと一緒にガッくんのところに泊まるので、荷物を準備したり着替えたりと準備を進める。 そんなことをしていたら携帯から音楽が流れた。 お母さんかな? それともキョンちゃん? 携帯を開くと、画面に表示されていたのは登録されていない番号だった。
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