第3話 夏のおとずれ

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「思ったんだけど、ナナミちゃんって何で海南に来たの? ハルたちは、ガクがいるからこっちに来たっんじゃないかって言ってるけど…。 本当はそれだけじゃないよね。」 ナツさんはそう言いながら私を覗きこんだ。 「ガッくんがどうのってわけじゃないんですけど…。 中1のときにガッくんの試合を見に来たことがあって。 その時にみんなキラキラしてていいなぁって憧れて来たんですよ。」 「そっか。 オレの勘だけど、ナナミちゃんって何かをを抱えてるようにも見えるから…ちょっと気になっちゃったんだよね。 余計なこと言ってごめんね。」 ナツさんはそう言いながら、水平線の遥か向こうを見つめていた。 なんだろう…その視線は憂いを帯びているようにも見える。 話すつもりはなかったけど、私は思わず口を開いた。 「ナツさん、、 誰にも言わないって約束してもらえますか? ハルくんにも。」 「…うん。」 私は深く深呼吸をした。 そしてこの町に来てから、誰にも話せなかった過去(むかし)の話を、ナツさんに打ち明けた。
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