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「思ったんだけど、ナナミちゃんって何で海南に来たの?
ハルたちは、ガクがいるからこっちに来たっんじゃないかって言ってるけど…。
本当はそれだけじゃないよね。」
ナツさんはそう言いながら私を覗きこんだ。
「ガッくんがどうのってわけじゃないんですけど…。
中1のときにガッくんの試合を見に来たことがあって。
その時にみんなキラキラしてていいなぁって憧れて来たんですよ。」
「そっか。
オレの勘だけど、ナナミちゃんって何かをを抱えてるようにも見えるから…ちょっと気になっちゃったんだよね。
余計なこと言ってごめんね。」
ナツさんはそう言いながら、水平線の遥か向こうを見つめていた。
なんだろう…その視線は憂いを帯びているようにも見える。
話すつもりはなかったけど、私は思わず口を開いた。
「ナツさん、、
誰にも言わないって約束してもらえますか?
ハルくんにも。」
「…うん。」
私は深く深呼吸をした。
そしてこの町に来てから、誰にも話せなかった過去の話を、ナツさんに打ち明けた。
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