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消せない十字架《きおく》(過去の話)
『偏差値50』
この言葉が私ほど似合う女の子っているだろうか。
私、櫻木七海は、
ルックス、成績、運動神経、クラスでの存在感…
どこを見てもごくごく普通の女の子だった。
派手でなく、地味でもない顔。
身長155センチ45キロ。
成績は100人中40番前後。
かけっこでは6人中3番目。
クラスの中でも目立つわけでもなければ暗くもない。
友達も分け隔てなく仲良くできる。
そんな私。
そんな私に転機が訪れる。
それは、同じバスケ部のリーダー的存在のエリの恋の応援を、頼まれてもいないのに買って出たのがきっかけだった。
このことがなければ、良くも悪くも今の私はいないのだけれども。
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