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「え、おばあちゃん今帰ろうとしていたけど、いいの?」
「あぁいいよ。1人よりたくさん人が居たほうが楽しいしねぇ」
おばあちゃんは、私が住んでいるところと同じ市に住んでいるんだけど、1人暮らしだ。でも、小学校のチャイムの音が聞こえるくらい小学校から近いから、私が小学生の頃は毎日のように行っていたけど。
「こんなものしか出せなくてごめんね」
メニューは、白米とゴーヤの佃煮とこの家の畑で採れた野菜のサラダ、あとは味噌汁だ。十分すぎるメニューだよね。
「いえいえ、初めて見るものもありますが、すごく美味しそうです!」
「うんうん」
「あの、これは私もいただいてもいいんでしょうか」
お手伝いさん、なんか遠慮してるな。でも、それも当然か。初対面の人が寝床と食事を提供してくれるってそりゃ遠慮するよね。
「なぁに遠慮してんだい。たんとお食べ」
「ありがとうございます。この料理の代金は後ほど」
「いいよいいよ。こんな料理、1円にもならないよ」
そんなことはないと思うんだけどなぁ。
「ですが」
「これはおもてなしだよ。代金なんていらないよ」
「そうですか。失礼しました」
「ところで、あなたはこの2人のどちらかのお母さんなのかい?」
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